つらつら日記〜かあちゃん編〜
by annin8
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直島にて
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土曜日、大阪は雨が降っていたようでしたが、瀬戸内海は晴れていました。高松からフェリーで50分、直島につくと日ざしがでてきて汗ばむ陽気に。バスもでていたのですが気持ちいい気候だったので、レンタサイクルで島をまわることにしました。

直島では、「瀬戸内海の風景の中、ひとつの場所に時間をかけてアートをつくりあげていく」活動が続けられていて、それは、直島の自然や地域の文化のなかに、現代アートや建築を置くことで特別な場所と経験を創造しようとする試みというものです。安藤忠雄設計の建築をはじめ、さまざまなアーティストによる作品が島の中に点在しています。
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おそらくは数百年前から続く古い民家を改良した「家プロジェクト」、安藤忠雄設計のベネッセハウス、そして今年の7月に完成したばかりの地中美術館。あちこちにあるオブジェ。私が感じたのは、風景そのもの、自然そのものが作品の一部となっているということ。
例えばこの南瓜、置かれているのは海岸の、海に突き出した桟のようなところです。私が訪れたのはちょうど満潮時。波の高さがきれいに桟の高さと同じで、押し寄せる波がさーっと足下にかかるのです。南瓜は、波の上。ただ海辺に置いてあるのではないのです。


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そしてこの板、地面につきささったオブジェかと思いきや、なんと風をうけてゆっくりと動くしくみになっています。3つの板がそれぞれに違う、なんともいえない緩慢な動きをみせていました。波や風も作品の一部。この島にあるものは、すべてこの場所にあることで完成する作品なのだなと思いました。

安藤忠雄の建築はすごかった。何がすごいのかというと、コンクリートがやさしくてスマートで大胆で神秘的な空間をつくるということがすごい。写真は撮れなかったけど、建築は目で見るものではなくて体で感じるものだということを実感しました。その場に建つと、自分自身がもっと、ものすごく小さい存在で、そして無垢であるかのように感じられました。
地中美術館では、なんと先日の台風の影響で、モネの名作「睡蓮」5点が展示されたモネ室が水漏れしたため公開されていなかったのです。残念無念。入場料は半分になりましたが、モネの絵を飾るために設計されたという部屋を、やはりいちばん楽しみにしていたのでがっかりしました。しかしここでもすごかった。うーん、言葉をつくしても表現できないのですが、スケールがすごいのと、見たこともない空間なのと、無機質であるはずのものにこれだけの力が宿るのか、ということに圧倒されました。

ちょうど香川へ向かうときに読んでいた本の一節に、このようなことがかかれていました。
私たちの祖先はクロマニョン人である。ネアンデルタール人が進化してクロマニョン人になったといわれているが実はそうではない。クロマニョン人とネアンデルタール人はまったく別の生物で、同時期に存在していたがやがてネアンデルタール人は滅びクロマニョン人が繁栄していった、という説がある。では、ネアンデルタール人とクロマニョン人の違いとは何か。それは、クロマニョン人は絵を描くがネアンデルタール人は描かないということなのだ。
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私たちの祖先は、絵を描いた。絵を描かなかったネアンデルタール人は滅びた。

もっと根源的で、もっと直接的なもの。アートは普遍的にどこにでもあって、誰にでも開かれたもので、島のおじいちゃんや都会からきた若者や、誰もかもが同じように感じることができるものであればいいな、と思いました。

追記:前日にはりきって用意した一眼レフのカメラは、長い間ほったらかしにしていたせいでしぼりが効かなくなっていたため、うまくとれなかった…。部屋の中は暗いし外では色がとんでるし。メーカーへ持っていこう。とほほ。
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by annin8 | 2004-10-05 09:56 | 旅の話
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